国宝『吉田本 日本書紀』京都国立博物館所蔵

国宝『吉田本 日本書紀』京都国立博物館所蔵Kokuho Yoshidabon Nihonshoki : Kyoto Kokuritsu Hakubutsukan shozo

価格(Price ¥) : 100,000円
ISBN 9784585220725
Series シリーズ
Author 著者 Kyoto Kokuritsu Hakubutsukan
京都国立博物館
Publisher 出版社 Bensei Shuppan
勉誠出版
Pub. place 出版地 Tokyo
東京
Pub. date 出版日 2013.11
Status 状態
Ref No. JPTB1311-0112
NDC 2: History. Geography 歴史,地理
『吉田本 日本書紀』は、写本・二巻で構成。
諸国の神社に仕えて卜占を家業とした卜部家に伝来した『日本書紀』の古写本。卜部家は鎌倉時代末より吉田姓を名乗っており、この二巻を「吉田本」と呼ぶのはこのため。吉田家からは、室町時代に吉田神社の神主吉田兼倶(1435~1511)が出て「吉田神道」を確立、神道界で大きな勢力となった。下巻には卜部兼方が弘安九年(1286)春に「裏書」を書き加えたことを記した奥書があり、この奥書と本文の筆跡が同じであるところから、本文もまた兼方によって筆写されたものであることがわかる。
全巻、兼方の自筆によるもので、本文には、朱の訓点が施され、欄外に細字の注記が、紙背には兼方によって諸説が書き込まれている。この兼方の裏書は、その父兼文が前関白一条実経らに行った『日本書紀』の講義に関わって書かれたもので、のち兼方が著した『釈日本紀』(現存最古の『日本書紀』の注釈書。『日本書紀』講読の諸筆記を集大成したもの)はこの裏書をもとにして構成されたものという。