放射能とナショナリズム

放射能とナショナリズムHoshano to nashonarizumu

価格(Price ¥) : 1,800円
ISBN 9784779170102
Series シリーズ Figyuru sai ; 9
フィギュール彩 9
Author 著者 Kosuge, Nobuko
小菅信子
Publisher 出版社 Sairyusha
彩流社
Pub. place 出版地 Tokyo
東京
Pub. date 出版日 2014.02
Status 状態
Ref No. JPTB1402-0110
NDC 5: Technology.Engineering 技術,工学
政府や東電、学者に対する強い不信と、マスメディアや論壇の機能不全により、いま日本を〈不信の連鎖〉が覆いつくそうとしている。 「唯一の被爆国」として、核兵器なき平和な世界の実現をナショナル・アイデンティティとして育んできた日本だが、大震災と原発事故後、非論理的でセンセーショナルな〈反原発熱〉にうかされ、デマや差別、暴言がとびかう構造的暴力が出現した。 原発推進派のレッテル貼り、反原発美談、原子力をめぐる「安全神話」から「危険神話」への単純なシフト。だが、実際には、原子力の神話化がより強化されただけではないのか?
イデオロギーで潤色し、極端な二項対立で問題を過剰に政治化する―これは、つねに感情的なテーマであり続けた歴史問題をめぐる言説と通底するのではないか?いま日本を呪縛する「放射能による不信の連鎖」を断ち切るための提案とは。
四六判 / 192ページ  

[目次]
序章 「御用学者」狩りが始まった(「殺す前に殺す」/「小菅信子というのはエア御用かトンデモか?」)
Ⅰ 被災地を歩く(「がんばれ東北」など、とても言えない/人間性の尊厳とは/平和とは何か/かつての敵国・日本への思い/被災地へ/「再生への視点」/「おだづなよ、津波!」/社会的責任を果たしうる良き〈第三者〉とは
Ⅱ 福島とフクシマのあいだ(「唯一の被爆国の国民」の屈折した心情/「原爆に救われた」者の語り/和解がもたらした分裂/受益者のトラウマ/再び、癒しえない傷と癒しについて)
終章 プロメテウスなどいない