疎開体験の戦後文化史:帰ラレマセン、勝ツマデハ

疎開体験の戦後文化史:帰ラレマセン、勝ツマデハSokai taiken no sengo bunkashi : kaeraremasen, katsumadeha

価格(Price ¥) : 3,600円
ISBN 9784787220844
Series シリーズ
Author 著者 I, Sunjun
李承俊
Publisher 出版社 Seikyusha
青弓社
Pub. place 出版地 Tokyo
東京
Pub. date 出版日 2019.09
Status 状態
Ref No. JPTB1909-0138
NDC 9: Literature 文学
戦争の裏で、子どもたちを中心に人々は地方への疎開を余儀なくされた。避難ではなく疎開と呼ばれた銃後の人口移動政策を、敗戦後の文学はどのように語り、位置づけてきたのか。疎開に人々は何を思い、どう記憶してきたのか。 柳田国男、太宰治、石川達三、「内向の世代」のテクストや映画を糸口にして、疎開にまつわる様々な資料も使いながら、1945年から戦災を経験した子どもが大人になる70年代までの疎開の描かれ方をたどる。その語りは一様ではなく、いつ疎開を経験したのかという世代の違いや、地方/都市の相違が多様な語りを生み出している。 文学を通して疎開をみたとき、そこに立ち現れるのは敗戦後に突然もたらされた平和な日常への戸惑いであり、幼少期を戦禍のもとに過ごした葛藤である。銃後の記憶を抱えて戦後を生きた人々の思いを照らし出す。
四六判、314頁