上代文藝に於ける散文性の研究

上代文藝に於ける散文性の研究Jodai bungei ni okeru sanbunsei no kenkyu

価格(Price ¥) : 3,300円
ISBN 9784487813094
Series シリーズ
Author 著者 Nakanishi, Susumu
中西進
Publisher 出版社 Tokyo Shoseki
東京書籍
Pub. place 出版地 Tokyo
東京
Pub. date 出版日 2019.10
Status 状態
Ref No. JPTB1912-0058
NDC 9: Literature 文学
現代を代表する国文学者にして「令和」の考案者とされる中西進の卒寿記念出版。 中西万葉学の原点、本邦初公開。 中西万葉学、中西文学論、中西日本人論のすべての原点といえる、東大卒業論文を、90歳の原点として、令和の今、出版して世に問う。 400字×674枚の圧巻の手書き原稿がここによみがえる。 日本古代において、韻文と散文は如何に成立してきたのか。 卒業論文ながら極めて高い学術性は、現代の国文学者、国文学の学生らにとっても非常に有益な着眼点や論点を提供する。 ~~~~~~~~~~~ 平安時代になると『源氏物語』にしろ『枕草子』にしろ堂々たる散文作品が登場するが、奈良時代には、なぜそれがないのか。もちろん「風土記」や「古事記」はあっても、それぞれ叙述目的は他にある。  その一方で長歌という、後には消えてしまう歌はいっぱいあって、やれ二人の男が一人の女に恋したとか、橋の上を渡っていく美女を見かけたから恋をしてみたいとか、すなおに散文で述べればいいのに、いかにも窮屈そうに長歌でしか歌わないのはなぜだ。  おかしい。もしかしたら古代日本人は「うた」以外には口が廻らなかったのか。 (「まえがき」より) A5判, 448ページ