なつかしい近代文学:江戸を視野に入れて

なつかしい近代文学:江戸を視野に入れてNatsukashii kindai bungaku : Edo o shiya ni irete

価格(Price ¥) : 9,200円
ISBN 9784867660898
Series シリーズ
Author 著者 Nishida, Kozo
西田耕三
Publisher 出版社 Bungaku Tsushin
文学通信
Pub. place 出版地 Tokyo
東京
Pub. date 出版日 2025.06
Status 状態
Ref No. JPTB2506-0256
NDC 9: Literature 文学
なつかしいのは、根源的に、見定めようとしていた対象が次第に茫漠となり、やがて世界の中に消失してしまうからである。
「世界」の側にいる私たちに、その現象が「なつかしい」と感じられるのだ――。
近代になって多くの「江戸」は失われた。しかし、すべてが跡形もなくなくなったわけではない。
倫理や思想を巻き込んで展開する文学の場合、前代の思想や倫理が一気に消去されることはない。新来の西洋の思想や倫理と拮抗しながら生き続ける。
本書は、江戸時代の思想や倫理と近代の文学のつながりを、トリヴィアルで断片的な事柄から解き、広い場に引き上げ、それらの特徴を確認したり、新たに見出したりしようとする。
江戸思想はどう転位し、近代文学に流れ込んでいるのか。たとえば、太宰春台の時代には当たり前だった言葉は、賢治の時代には驚異に感じられたことなどである。
416 p. ; 21 cm.