裁判員裁判の評議デザイン:市民の知が活きる裁判をめざしてSaibanin saiban no hyogi dezain : shimin no chi ga ikiru saiban o mezashite
価格(Price ¥) :
4,600円
ISBN
9784535521155
Series
シリーズ
Publisher
出版社
Nihon Hyoronsha
日本評論社
日本評論社
Pub. place
出版地
Tokyo
東京
東京
Pub. date
出版日
2015.09
Status
状態
Ref No.
JPTL1509-0023
NDC
3: Social Science 社会科学
裁判員が十分に裁判に参加するためにはどうすればよいのか。心理学、言語コミュニケーション論からの検証も取り込んだ画期的研究。A5判、360ページ。
目次
はしがき
第1部 裁判員裁判――十全な参加のために
第1章 裁判員制度の意義………三島 聡
1 はじめに
2 海外の国民の司法参加の制度との比較
3 裁判員制度における国民の司法参加の意義
4 裁判員の十全な参加の要請とその困難さ
第2章 裁判員の十全な参加と実務の取組み
第1節 法施行前に実施された法曹三者主催の模擬裁判 守屋克彦
1 模擬裁判が始められた経緯
2 どのような模擬裁判が行われたか
3 模擬裁判の経験は、どのように総括されたか
4 模擬裁判の成果と課題
第2節 裁判員制度の運用状況 本庄 武
1 はじめに
2 裁判員経験者の感想
3 裁判員の選任過程
4 裁判員裁判における審理
5 裁判員裁判の判決
6 結びに代えて
第3章 裁判員の「十全な参加」とはどのような状態か
――心理・コミュニケーション上の特性の検討………高木光太郎
1 はじめに
2 コミュニケーションへの参加の水準
3 評議への「十全な参加」
4 評議のコミュニケーションデザインに向けて
第2部 理想の評議に向けたコミュニケーションデザイン
第1章 デザインなき評議の問題点
――教室型コミュニケーションと素朴交渉及び評議の進行過程に現れる問題………森本郁代
1 はじめに
2 大学生による議論の特徴と問題点――素朴交渉(Naive Negotiation)
3 裁判員法施行前の模擬評議の特徴(1)――教室型コミュニケーション
4 裁判員法施行前の模擬評議の特徴(2)――評議の進行過程に表れる問題点
5 おわりに――コミュニケーションデザインの必要性
第2章 外在化と共有のための評議デザイン………西條美紀
1 評議をデザインする目的――理想の評議
2 判決の正統性について
3 道具と言葉の視点から捉えた評議デザイン
4 私たちの提案と実務の評議デザイン
第3章 評議デザインの具体的方法
第1節 環境設計の必要性 大塚裕子
1 PIとワークショップ
2 PIにおけるファシリテーターの役割と条件
3 PIにおける場づくり
4 加川事件の評議の問題点
5 評議の場づくりの提案
第2節 付箋紙法 大塚裕子
1 ワークショップにもとづく付箋紙法
2 中間評議における証言・供述の内容の整理・共有
3 最終評議における量刑事情の共有・整理
4 まとめ
第3節 証拠構造焦点化法とライブレコーディング 野原佳代子
1 社会的正統ある判決のために――論告分析型評議のためのコミュニケーション手法
2 証拠構造焦点化法のあらまし
3 証拠構造焦点化法の機能
4 ライブレコーディング
5 ライブレコーディングの活用
6 起こりうるコミニュケーション上の問題――データの紹介と分析
7 証拠構造焦点化法とライブレコーディング法に関する留意点
第4章 模擬評議実験――手順・道具・ことばの検討
第1節 模擬評議実験のプロトコル 森本郁代
1 はじめに
2 実験の手順
3 おわりに
第2節 統制群(Aコート)の評議プロセス
――模擬評議における暗黙知投錨型議論の観察 野原佳代子
1 模擬評議にみる論告投錨型コミュニケーション
2 11の争点提示
3 収斂に向けて――陳述から説得へ
4 統制群Aコートのコミュニケーションに見られる特徴
第3節 実験群(Bコート)の評議プロセス
――外在化と共有の観点から見た論告対象型評議のコミュニケーションの特徴 森本郁代
1 はじめに
2 外在化と共有が機能していた場面
3 外在化と共有がうまく機能していなかった場面
4 おわりに
第4節 模擬実験から見えてきた課題と評議デザインの改善 森本郁代
1 はじめに
2 外在化と共有の観点から見たAコートとBコートの比較
3 模擬評議実験から見えてきた課題
4 模擬評議実験の結果を踏まえた論告対象型評議の改善
5 おわりに――模擬評議実験の結果に見る残された課題
第5章 評議デザインに関連する法的課題の検討
第1節 評議のあり方と評決の対象 大貝 葵
1 はじめに
2 評決の対象
3 評決対象の考察
4 おわりに
第2節 検察官提示の証拠構造の拘束力と可視化 三島 聡
1 はじめに
2 検察官の証拠構造の拘束力
3 検察官の証拠構造の可視化
4 おわりに
第3節 量刑評議 本庄 武
1 量刑評議に関する議論の変遷
2 最高裁判例の意味合い
3 最高裁判例の評価
4 研究会提案の見直し
第4節 評議の秘密
――評議の適正確保の観点から 三島 聡
1 はじめに
2 評議の中味の検証は不要なのか
3 評議をどのように検証すればよいか
4 おわりに
第6章 評議デザイン研究のこれから
第1節 評議デザインの残された課題 西條美紀
1 私たちの評議研究の経緯と裁判官による提案の受容
2 付箋紙法、証拠構造焦点化法、四相の言葉の使い分けの受容と変容
3 残された課題
第2節 何が個人の意見の質を決めるのか
――実験に基づく考察 西條美紀・森本郁代
1 証拠に基づく事実認定の困難さと私たちの提案
2 個人の意見の質をどう評価するか
3 模擬評議実験における個人の意見の質
4 考察と実務への提案
第3節 付箋紙使用はコミュニケーションに何をもたらすか
――評議シュミレーション観察と分析から 野原佳代子
1 付箋紙シミューレーションの意義
2 目的
3 手法
4 実施手続
5 報告1
6 報告2
7 実験後アンケート調査
8 結果観察のまとめ
第3部 実務における評議デザインの展開
裁判官へのグループインタビュー
青沼 潔・加藤 学・國井恒志・半田靖史・村山浩昭
聞き手・西條美紀
評議の進め方――大切にしていること
付箋紙は裁判実務でどの程度用いられているか
証言整理としての付箋紙の利用
付箋紙で証言を整理する必要性の有無
証言整理・確認と録画システム・付箋紙法
証言の信用性評価のための付箋紙の利用
裁判員裁判における信用性判断の基準・方法の共有・外在化
信用性評価の付箋紙に裁判員はどんなことを書くのか
付箋紙の「予習的」利用法――今後の証人尋問で尋ねたい事項の書き出し
量刑における付箋紙の利用
結審前の評議のあり方
チャート法ないし両当事者の主張の対比
主張・証拠の関係を図で整理すること
四相の言葉の使い分け
「合理的疑い」の判断基準の共有
自由心証主義の裁判員の理解
チャート法が利用されない理由
付箋紙の効用
付箋紙の記名・無記名
評議のグラウンドルール
グループインタビューを終えて 野原佳代子
総括的感想――事実観・認識論との関連で………石塚章夫
1 本書の目標と到達点
2 本書の事実観・認識論
3 刑事訴訟における伝統的な事実観・認識論
4 二項対立的事実観批判――判断の共同主観的存在構造
5 評議の結論の正統性の確保
6 今後の課題
裁判員裁判とコミュニケーション研究会〔評議研〕関連業績一覧
裁判員裁判とコミュニケーション研究会会員・執筆者略歴
目次
はしがき
第1部 裁判員裁判――十全な参加のために
第1章 裁判員制度の意義………三島 聡
1 はじめに
2 海外の国民の司法参加の制度との比較
3 裁判員制度における国民の司法参加の意義
4 裁判員の十全な参加の要請とその困難さ
第2章 裁判員の十全な参加と実務の取組み
第1節 法施行前に実施された法曹三者主催の模擬裁判 守屋克彦
1 模擬裁判が始められた経緯
2 どのような模擬裁判が行われたか
3 模擬裁判の経験は、どのように総括されたか
4 模擬裁判の成果と課題
第2節 裁判員制度の運用状況 本庄 武
1 はじめに
2 裁判員経験者の感想
3 裁判員の選任過程
4 裁判員裁判における審理
5 裁判員裁判の判決
6 結びに代えて
第3章 裁判員の「十全な参加」とはどのような状態か
――心理・コミュニケーション上の特性の検討………高木光太郎
1 はじめに
2 コミュニケーションへの参加の水準
3 評議への「十全な参加」
4 評議のコミュニケーションデザインに向けて
第2部 理想の評議に向けたコミュニケーションデザイン
第1章 デザインなき評議の問題点
――教室型コミュニケーションと素朴交渉及び評議の進行過程に現れる問題………森本郁代
1 はじめに
2 大学生による議論の特徴と問題点――素朴交渉(Naive Negotiation)
3 裁判員法施行前の模擬評議の特徴(1)――教室型コミュニケーション
4 裁判員法施行前の模擬評議の特徴(2)――評議の進行過程に表れる問題点
5 おわりに――コミュニケーションデザインの必要性
第2章 外在化と共有のための評議デザイン………西條美紀
1 評議をデザインする目的――理想の評議
2 判決の正統性について
3 道具と言葉の視点から捉えた評議デザイン
4 私たちの提案と実務の評議デザイン
第3章 評議デザインの具体的方法
第1節 環境設計の必要性 大塚裕子
1 PIとワークショップ
2 PIにおけるファシリテーターの役割と条件
3 PIにおける場づくり
4 加川事件の評議の問題点
5 評議の場づくりの提案
第2節 付箋紙法 大塚裕子
1 ワークショップにもとづく付箋紙法
2 中間評議における証言・供述の内容の整理・共有
3 最終評議における量刑事情の共有・整理
4 まとめ
第3節 証拠構造焦点化法とライブレコーディング 野原佳代子
1 社会的正統ある判決のために――論告分析型評議のためのコミュニケーション手法
2 証拠構造焦点化法のあらまし
3 証拠構造焦点化法の機能
4 ライブレコーディング
5 ライブレコーディングの活用
6 起こりうるコミニュケーション上の問題――データの紹介と分析
7 証拠構造焦点化法とライブレコーディング法に関する留意点
第4章 模擬評議実験――手順・道具・ことばの検討
第1節 模擬評議実験のプロトコル 森本郁代
1 はじめに
2 実験の手順
3 おわりに
第2節 統制群(Aコート)の評議プロセス
――模擬評議における暗黙知投錨型議論の観察 野原佳代子
1 模擬評議にみる論告投錨型コミュニケーション
2 11の争点提示
3 収斂に向けて――陳述から説得へ
4 統制群Aコートのコミュニケーションに見られる特徴
第3節 実験群(Bコート)の評議プロセス
――外在化と共有の観点から見た論告対象型評議のコミュニケーションの特徴 森本郁代
1 はじめに
2 外在化と共有が機能していた場面
3 外在化と共有がうまく機能していなかった場面
4 おわりに
第4節 模擬実験から見えてきた課題と評議デザインの改善 森本郁代
1 はじめに
2 外在化と共有の観点から見たAコートとBコートの比較
3 模擬評議実験から見えてきた課題
4 模擬評議実験の結果を踏まえた論告対象型評議の改善
5 おわりに――模擬評議実験の結果に見る残された課題
第5章 評議デザインに関連する法的課題の検討
第1節 評議のあり方と評決の対象 大貝 葵
1 はじめに
2 評決の対象
3 評決対象の考察
4 おわりに
第2節 検察官提示の証拠構造の拘束力と可視化 三島 聡
1 はじめに
2 検察官の証拠構造の拘束力
3 検察官の証拠構造の可視化
4 おわりに
第3節 量刑評議 本庄 武
1 量刑評議に関する議論の変遷
2 最高裁判例の意味合い
3 最高裁判例の評価
4 研究会提案の見直し
第4節 評議の秘密
――評議の適正確保の観点から 三島 聡
1 はじめに
2 評議の中味の検証は不要なのか
3 評議をどのように検証すればよいか
4 おわりに
第6章 評議デザイン研究のこれから
第1節 評議デザインの残された課題 西條美紀
1 私たちの評議研究の経緯と裁判官による提案の受容
2 付箋紙法、証拠構造焦点化法、四相の言葉の使い分けの受容と変容
3 残された課題
第2節 何が個人の意見の質を決めるのか
――実験に基づく考察 西條美紀・森本郁代
1 証拠に基づく事実認定の困難さと私たちの提案
2 個人の意見の質をどう評価するか
3 模擬評議実験における個人の意見の質
4 考察と実務への提案
第3節 付箋紙使用はコミュニケーションに何をもたらすか
――評議シュミレーション観察と分析から 野原佳代子
1 付箋紙シミューレーションの意義
2 目的
3 手法
4 実施手続
5 報告1
6 報告2
7 実験後アンケート調査
8 結果観察のまとめ
第3部 実務における評議デザインの展開
裁判官へのグループインタビュー
青沼 潔・加藤 学・國井恒志・半田靖史・村山浩昭
聞き手・西條美紀
評議の進め方――大切にしていること
付箋紙は裁判実務でどの程度用いられているか
証言整理としての付箋紙の利用
付箋紙で証言を整理する必要性の有無
証言整理・確認と録画システム・付箋紙法
証言の信用性評価のための付箋紙の利用
裁判員裁判における信用性判断の基準・方法の共有・外在化
信用性評価の付箋紙に裁判員はどんなことを書くのか
付箋紙の「予習的」利用法――今後の証人尋問で尋ねたい事項の書き出し
量刑における付箋紙の利用
結審前の評議のあり方
チャート法ないし両当事者の主張の対比
主張・証拠の関係を図で整理すること
四相の言葉の使い分け
「合理的疑い」の判断基準の共有
自由心証主義の裁判員の理解
チャート法が利用されない理由
付箋紙の効用
付箋紙の記名・無記名
評議のグラウンドルール
グループインタビューを終えて 野原佳代子
総括的感想――事実観・認識論との関連で………石塚章夫
1 本書の目標と到達点
2 本書の事実観・認識論
3 刑事訴訟における伝統的な事実観・認識論
4 二項対立的事実観批判――判断の共同主観的存在構造
5 評議の結論の正統性の確保
6 今後の課題
裁判員裁判とコミュニケーション研究会〔評議研〕関連業績一覧
裁判員裁判とコミュニケーション研究会会員・執筆者略歴